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国土交通省は3月31日、ビルのテナントの賃貸料などについて、徴収を猶予するなどの配慮をするよう、関係団体を通して不動産オーナーに要請しました。新型コロナウイルスの流行によって、飲食店などの売上が大きく落ち込み、賃料の支払いが困難となっていることを受けての対応です。現時点では事業用テナントのみを対象とした要請で強制力はありませんが、不動産オーナーの収入減につながり、賃貸アパートなどについても同様の要請が今後行われる可能性もあります。
3月30日に小池百合子都知事は記者会見で、夜間に飲食店などへ行くことを自粛するよう広く求めました。都内、また飲食店に限らず、新型コロナウイルスの感染者が増加するなかで外を出歩かない人が増えたことで、多くの店が深刻な客足減にさらされています。
それを受けて31日、赤羽一嘉国土交通相は会見で「賃料が大変負担になっている」という要望があったことから、関連団体に対して、要請を行ったことを明かしました。その内容は、売上が減少している店舗などから相談があった時には、業種にかかわらず、賃料の徴収を猶予するなどの柔軟な対応を求めるというものです。
同日に国交省はホームページ上に「賃料の支払いが困難な事情があるテナントに対しては、賃料の支払いの猶予に応じるなど、柔軟な措置の実施を検討頂くよう、要請をしました」とする声明を発表しました。要請を受けた団体は、不動産協会、全国住宅産業協会、不動産流通経営協会、全国宅地建物取引業協会連合会、全日本不動産協会、日本ビルヂング協会連合会の6団体です。
今回の要請に強制力はなく、どう対応するかは個々のオーナーの判断に委ねられます。しかしスポーツイベントなどと同様に要請に過ぎないものの実質的な強制力を持つことも考えられ、さらにあくまで要請であるため、税金によるオーナーへの補償がないのは確実です。
また今回の要請の対象は事業用テナントに限定されていますが、今後さらに経済の落ち込みが深刻化すれば、より人が生きる上で不可欠な住居については、要請より一層踏み込んだ判断が行われる可能性も否定できないところです。
<情報提供:エヌピー通信社>
4/10
●3月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
4/15
●給与支払報告に係る給与所得者異動届出(市町村長へ)
4/30
●公共法人等の道府県民税及び市町村民税均等割の申告
●2月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●8月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の5月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の1月、2月決算法人を除く法人の1月ごとの中間申告(12月決算法人は2か月分)<消費税・地方消費税>
○軽自動車税(種別割)の納付
○固定資産税(都市計画税)の第1期分の納付
○固定資産課税台帳の縦覧期間[4月1日から20日又は最初の固定資産税の納期限のいずれか遅い日以後の日までの期間]
○固定資産課税台帳への登録価格の審査の申出[市町村が固定資産の価格を登録したことを公示した日から納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日までの期間等]
◆民法(債権法)の改正
労働基準法第115条は、賃金(退職手当を除く)、災害補償その他の請求権は2年間、退職手当の請求権は5年間の消滅時効を定めています。
2020年4月1日に施行される改正民法(第166条第1項)では、一般債権の消滅時効は次のいずれかとなります。
①債権者が権利を行使できることを知った時(主観的起算点)から5年間行使しないとき。
②権利を行使できる時(客観的起算点)から10年間行使しないとき。
従来、「使用人等の給与」等に設定されていた短期消滅時効が民法では廃止されますので、労働基準法の賃金請求権の消滅時効の取扱いがどうなるか注目されていました。
◆労働基準法の賃金請求権は当面3年に
厚生労働省は、通常国会に労働基準法改正案を提出し、賃金請求権の消滅時効は、客観的起算点から5年を原則とするものの、労働基準法第109条の記録保存期間に合わせて当分の間3年とし、5年後に必要に応じて見直すことになりそうです。
なお、退職手当の請求権の5年間、年次有給休暇取得の2年間の消滅時効に変更はありません。
◆未払賃金の遡及も最大3年に
労働基準監督官の臨検で未払賃金に関して是正勧告された場合、最大2年分の遡及払いを指導されていましたが、今回の改正で、さらに1年分多く遡及される可能性があります。
つまり、臨検で未払賃金の是正勧告を受けた場合や未払賃金に関する裁判で会社敗訴となった場合のリスクが1.5倍となるということです。
従来の2年遡及でも、企業にはかなりの痛手となっていましたので、遡及が最大3年となれば、会社の存続自体が危ぶまれるケースが増えてくるかもしれません。
◆実質無償の高校授業料
国や地方自治体は、すべての意志ある高校生が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図っています。
国の高等学校等就学支援金制度もその1つですが、今年4月から私立高校等に通う生徒への支援上限や、補助される金額を決める基準値の変更が行われています。
◆私立学校に通う生徒への支援額引き上げ
私立高校に通う場合の国からの支給上限額が引き上げられました。世帯年収がおおよそ590万円未満の場合、従来の支援金の最大額は29万7,000円でしたが、最大39万6,000円となり、また住民税の所得割額に応じた3段階の支援金額の差もなくなりました。地方自治体の授業料補助を組み合わせると、所得制限にかからない場合、授業料は実質ゼロになる仕組みです。
◆国の支援金の支給基準の改定
今までは両親2人分の「都道府県民税所得割額と市町村民税所得割額の合算」で、支給の有無や支給額の大小が決まっていましたが、今年7月分からは、両親2人分の「市町村民税の課税標準額×6%から市町村民税の調整控除の額を引いたもの」が判定の基準となります。
簡単に言うと、従来は住宅ローン控除の住民税分の控除や、ふるさと納税等の住民税分の控除をした後の、税額を基準としていましたが、改正により住民税の課税所得額が基準となりますので、意図的に税額を減らすふるさと納税等の行為は意味がなくなります。
◆地域や状況により負担の増減はさまざま
国による支援の改正の他に、都道府県によって私立高校の授業料の補助にも改正が予定されている所や、地域によって世帯の課税所得や所得割額がいくらまでなら所得制限にかからずに無償化の範囲になるか、または自己負担になる授業料がいくらになるのかが異なります。実質的な支援額がどのくらいになるのかを知りたい場合は、国と都道府県両方の支援金の基準を調べる必要があります。
例えば東京都の場合、今年から無償化になる世帯年収をおおよそ910万円未満とする方針で、子供を3人以上育てる世帯については、世帯年収に関係なく授業料の支援を行う等の方策を立てています。
所得に占める税金と社会保障費の負担割合を示す「国民負担率」が、2020年度に過去最高の44.6%となる見通しであることが財務省の報告で分かりました。昨年10月の消費増税で負担が増しているためで、18年度から下降した19年度と比べて0.8ポイントの上昇となります。
財務省の推計によると、20年度の租税負担率は26.5%、社会保障負担率は18.1%となります。合計した負担率44.6%は、18年度の44.1%を抜いて過去最高となります。10年度前と比べると7.4ポイントも増加する見通しで、国民の負担はますます重くなるばかりです。
この国民負担率44.6%は、将来世代へ先送りしている財政赤字の負担を考慮したものではありません。国の借金を国民が肩代わりする分をも含めた「潜在的国民負担率」は20年度には49.9%となる見通しです。財務省の推計通りとなれば過去3番目の負担率になります。
なお国民負担率を先進諸国と比較すると、約70%のフランスや60%のスウェーデンなど「高福祉国家」よりも低く、アメリカの30%台よりは高い水準となっています。
<情報提供:エヌピー通信社>