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2022-12-02 15:14:00

 年末に決定する2023年度税制改正大綱に向けて、生前贈与の「持ち戻し」の期間を現行制度の3年から延長する案が浮上しています。持ち戻しとは、相続発生までの3年間に行われた生前贈与について、贈与ではなく相続によって得た財産として扱い、相続税を課すルールのこと。死期を悟ってからの駆け込み贈与による税負担の圧縮を防ぐために設けられています。

 覚えておきたいのは、この3年持ち戻しルールは、あくまで税法上の規定だということ。というのは、民法にも持ち戻しルールが存在するからです。
 民法の持ち戻しとは、特定の法定相続人への生前贈与があった時に、「遺産の前渡し」があったとしてその分を遺産に合算して遺産分割や遺留分の算定を行うというもの。相続税と似ていますが、こちらは3年ではなく相続発生までの10年間が対象となっています。かつては何十年前の贈与であっても対象とするという恐ろしい制度でしたが、さすがにそれはやり過ぎとの声が多かったためか、2018年に改正された民法によって10年間に短縮された経緯があります。

 なお税法、民法ともに、20年以上連れ添った配偶者への贈与については、持ち戻さなくてもよいとする優遇制度が設けられています。税法には以前からあったルールですが、民法では18年の民法改正時に、持ち戻し期間の短縮に併せて導入されました。

<情報提供:エヌピー通信社>


2022-12-02 15:13:00

◆テレワーク・在宅勤務で通勤手当が廃止
 コロナ禍でのテレワークを機に、働き方の基本を在宅勤務に移行した場合、自宅から会社までの交通費はどのような扱いとなるのでしょうか?
 日本の会社は、他社が通勤手当(=自宅から会社までの合理的な経路と運賃の定期代)を当たり前のように支給しているため、良い人材を集める目的で、当然の如く通勤手当の規程を設けているところが大半です。
 在宅勤務では、通勤手当は廃止され、代わりに、自宅での電気・電話代に相当する在宅勤務手当を支給される場合もあります。
※本稿では在宅勤務手当の検討はしません。 

◆通勤手当は所得税非課税で社保は報酬扱い
 通勤手当につき、所得税法では、一定の限度額までは非課税と規定されています。一方、社会保険(健康保険+厚生年金保険)や雇用保険では、報酬として保険料を計算する際の算定基礎金額に算入されます。
 これは、厚生年金保険法や労働保険法では、通勤手当の支給は法律に定める義務ではなく、会社が恩恵的に支給する「福利厚生」であり、支給される従業員の報酬であると解されるためです。一方、所得税法では、政策的配慮により、通勤手当は一定限度額まで非課税と規定されています。そのため、同一人の給与計算で、社会保険料の計算では通勤手当が賦課対象とされ、所得税の源泉税額計算では非課税として計算対象から除外される違いがあります。

◆在宅勤務者の出社時の交通費の扱いは?
 通勤目的以外の業務上の利用で発生した交通費は実費精算され、会社では交通費という経費となり、利用者に課税関係は発生しません。通勤のための交通費を実費精算した場合は、通勤とみなされて通勤手当の一部と認定されようが、交通費として精算されようが、個人で所得税課税されないのでどちらでも変わりません。ところが本来、通勤に要する会社負担額は報酬とみなす社会保険の考え方からすれば、あくまでも報酬として認識することになります。手当としてお金をもらっているのではなく交通費の実費精算なのでなんだか腑に落ちません。
 ただし、社会保険でも、勤務地を自宅とする変更手続を雇用契約上行い、時々会社へ向かう「外出扱い」とする場合は、旅費交通費として認められる例外規定があります。
 この取り扱いは事実認定の話となるので、導入に当たっては社会保険労務士さんによく相談して進めるようにしましょう。


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