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◆住宅ローン控除は平準化を目指し改正
消費税率の引上げに際し、需要変動の平準化の観点から、住宅ローン控除についての改正が行われます。
2019年10月から20年12月までに入居する住宅で、消費税が10%となる住宅については、控除期間が現行の10年から13年に延長されます。
・1~10年目:住宅ローン年末残高×1%(※最大40万円)
・11~13年目:次のいずれか少ない金額
①住宅ローン年末残高×1%
②取得価額(※最大4000万円)×2%÷3
※長期優良住宅等の場合:50万円・5000万円
◆「すまい給付金」も拡大
住宅ローン控除は、支払っている所得税等から控除する仕組みであるため、収入が低いほどその効果が小さくなります。負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して、住宅ローン減税と併せて消費税率引上げによる負担軽減を図るのがすまい給付金です。
このすまい給付金についても、消費税増税に併せて、給付額の上限引き上げと適用となる収入帯の増加が予定されています。
配偶者控除ありのモデルケースの場合、消費税8%の場合は給与収入で425万円以下の場合、30万円の給付が受けられましたが、10%の場合は給与収入が450万円以下の場合は50万円の給付が受けられます。また、10万円の給付を受ける場合で見ると8%時は510万円以下だったのが10%では775万円以下となります。なお、給付を受けられるかどうかは都道府県民税の所得割額で判定されるので、ふるさと納税等で税額を減らしていると、さらに有利な条件で給付が受けられる可能性があります。
◆さらにポイント制度も新設
国土交通省は、「良質な住宅ストックの形成」をめざし、消費税率10%で一定の性能を有する住宅の新築やリフォームに対して、商品等と交換できるポイントを発行する「次世代住宅ポイント制度」も開始予定です。 この制度は「環境」「安全安心」「健康・高齢者」「子育て・働き方」に資する住宅の新築やリフォームが対象となり、上記に資する商品を貰える予定となっていますが、今のところどんな商品が貰えるかは、まだ公表されていないようです。
◆2019年4月から有給休暇の改正があります
年次有給休暇について皆さんの会社ではどのように管理しているでしょうか。2019年4月より年次有給休暇の5日以上取得の義務化があり、有休の取扱いについてさらに注目度が上がっていくでしょう。
年休の取扱いは各個人ごとの管理が必要で複雑化しやすい傾向があります。今後の有休管理については有休管理簿を備え付けることが義務化される等、大きく変化してきています。
そんな中、今回は深夜勤務後の有給休暇について見ていきます。
◆夜勤明けは年次有給休暇にしていいの?
夜勤明けがある場合、夜勤明けの日を休みにすることが多くあります。例えば17時から翌2時という夜勤明けの取扱いですが、昼から連続して厳しい深夜勤務を会社が命じるとすれば、夜勤明けを休んでもらうのは働いている人への安全配慮の観点からも望ましい措置といえるでしょう。賃金カットをせずに特別の有給休暇とするのがベストですが、翌日休んだ分を欠勤として扱う分には問題ありません。
ここで話題になるのは翌日を年次有給休暇として処理できるかという点ですが、原則、有休とすることはできません。労働基準法上の年次有給休暇は1日単位が原則です。この「1日」というのは原則として午前0時から午後12時までの暦日とされているので、今回のように翌日の2時になってしまったときは1日として扱うことができません。仮に働いている人が夜勤明けを年休扱いにしてほしいと希望してきても原則できません。また、年休は労働者の希望する時季に与えなければなりませんので、会社が指定して年休取得させてしまうこともできません。
◆激変する環境に対応していくためには
有休の取得率を代表とする会社の労働環境が原因で離職する人は全体の2割に上るといわれています。法律に則った範囲であれば罰せられることはありませんが、人手不足時代の今、人材の採用や定着にかかわる原因の一つとなっています。昨今の企業を取り巻く激変する環境に対応していくためにも、有休のとり方を今一度見直してみるいい機会です。
◆空き家の譲渡所得3,000万円特別控除
近年増加傾向にある空き家。治安や景観の悪化、災害時の倒壊の恐れなどが社会問題となっています。
この空き家について、税制によって問題を緩和しようというのが「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」です。当初は平成31年12月31日までに売却して、一定の要件に当てはまる場合、となっていましたが、平成31年税制改正によって、期間の延長(4年間)と要件の拡充が行われました。
◆要件と新要素
空き家特別控除を受けるためには、以下の要件に当てはまるものでなければなりません。
・対象となる家屋又は家屋の敷地
(1)昭和56年5月31日以前に建築されたもの
(2)区分所有建物登記がされている建物でないもの
(3)相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいないもの
・特例を受けるための要件
(1)売った人が相続等で家屋や敷地を取得している
(2)その物件を売るか、家屋の取壊しをした後に売ること
(3)相続から取壊し・譲渡までの間に事業等に使用していないこと
(4)相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却、等です。
拡充された内容としては被相続人が要介護認定等を受けて、老人ホーム等に入所した時から相続の開始直前まで、その家が他に使われていなかった場合でも、この特別控除の要件適合となります。
◆賃貸でも新しい形式に注目
また、近年は原状回復を貸主が行わず、借主が自由にリフォームする形のDIY型賃貸借と呼ばれる賃貸住宅が注目されています。貸主は比較的古い物件でも改修費用を負担せず貸せる、借主は自分好みの住宅にすることが可能というメリットがあります。
空き家特例の要件に適合した住宅でも、ニーズがあれば賃貸にしたい、だけど初期費用は掛けられないという場合、DIY型賃貸借を検討してみてはいかがでしょうか。