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◆事業主の職場環境配慮義務
コロナ禍の中で迎えた今年の夏も、例年通りの暑い日が続きました。猛暑の中通勤をし、空調の効いたオフィスに到着すると少しほっとできますね。
ところで、過ごしやすいと感じる環境は人それぞれですが、温度や湿度を含む職場の快適な空間作りのルールは、事業主の努力義務として法律で定められていることをご存じですか。今一度、規則を確認してみましょう。
◆安衛法および事務所衛生基準規則
労働安全衛生法(安衛法)第71条の3の規定に基づく快適職場指針によると、事業者は、以下の4つの視点から措置を講じ「仕事による疲労やストレスを感じることの少ない、働きやすい職場づくり」を目指すことが望ましいとされています。
(1)作業環境の管理
(2)作業方法の改善
(3)労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備
(4)その他の施設・設備の維持管理
これによると、不快と感じることがないよう、空気の汚れや臭気、温度等を適切に維持管理することや、心身の負担が大きい力仕事や不自然な姿勢での作業をさせないこと、休憩室等を設置・整備すること、洗面所やトイレ等も清潔で使いやすい状態にしておくこと等が示されています。
また、快適な職場空間を維持するため継続的かつ計画的に取り組み、労働者の意見を聞き、個人差への配慮及び潤いへの配慮も考慮すべきとしています。
更には、安衛法に基づく事務所衛生基準規則には室温が17℃以上28℃以下になるように努めること等、より具体的な数値が示されているので確認するとよいでしょう。
◆快適職場で効率アップ
勤労者にとって、職場は生活時間のおよそ3分の1を過ごす場所であり、いわば生活の場の一部といえます。その生活の場が暑すぎたり、寒すぎたり、汚れていたり、身体に負担がかかる作業であったり、人間関係が良くない場合には、本人にとって辛いだけでなく、生産性の面からも能率の低下をきたします。
職場を疲労やストレスを感じることの少ない快適なものとすることは、職場のモラル向上、労働災害の防止、健康障害の防止だけでなく事業活動の活性化に繋がることでしょう。
10/12
●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
10/15
●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知
11/2
●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2か月分)<消費税・地方消費税>
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)(10月中において市町村の条例で定める日)
法務局が自筆証書遺言書を保管してくれるサービスが令和2年7月10日から開始しました。
◆公正証書遺言と自筆証書遺言
公正証書遺言は、遺言者が公証人に内容を伝えて、その内容をもとに公証人が公正証書として遺言書を作成します。2名以上の証人が立ち会う必要もあります。費用や手間がかかりますが、公証人が内容の法的有効性をチェックしてくれたり、原本を公証役場で厳重に保管してもらえたりするメリットがあります。
自筆証書遺言は、遺言者本人が遺言書を自書することにより作成します。一人で手軽に作成することができ、費用もかかりません。ただし、相続開始後に家庭裁判所の検認が必要となります。また、遺言者本人の死亡後、遺言書の紛失等により相続人等に発見されなかったり、一部の相続人等により隠匿や改ざんが行われたりするリスクもあります。
◆自筆証書遺言書保管制度のメリット
この制度を利用して、自筆証書遺言書を法務局に保管してもらうことにより、遺言書の紛失・隠匿・改ざんといったリスクを回避することができ、あわせて家庭裁判所の検認も不要となります。
遺言者は、法務局に遺言書を預けた後も、預けた遺言書を閲覧したり、保管の申請を撤回したりすることができます。
また、相続人等は相続が開始した後であれば、遺言書が預けられているかを確認したり、遺言書を閲覧したり、遺言書の内容の証明書を取得したりすることができます。
◆注意点
法務局に保管してもらう際、法務局の職員の方が自筆証書遺言の方式について外形的な確認はしてくれますが、遺言の内容について相談に応じたり、遺言内容の法的有効性について保証してくれたりするものではありません。また、この制度の手続はそれぞれ各種確認や手続の処理に時間を要するため、全ての手続について法務局に予約が必要となっています。
この制度を利用する際には、司法書士さんや弁護士さんにも相談されることをお勧めします。
労働時間における変形労働時間制は、厚労省の調査によると平成31年では過半数以上の企業が採用しています。しかし正しい運用が難しいだけでなく、特に時間外労働の計算方法が複雑でそのため誤った運用になっている例もあります。
◆1か月単位の変形労働時間制時間外の扱い
1か月単位の変形労働時間制は労使協定又は就業規則に規定して運用ができます。労使協定を労基署に届け出る必要はありません。1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの所定労働時間が40時間(10名未満の商業・サービス業は44時間)を超えない定めをしたときは、特定された週や日において法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。
一般的な労働時間は1週40時間、1日8時間を超える実労働時間が時間外労働となりますが、変形労働時間制ではそれを超えてもあらかじめ特定された所定労働時間内であれば時間外労働にはならず残業代は発生しません。この場合は所定労働時間が法定労働時間を超えて設定されている週又は日は法定労働時間を超えた部分が時間外労働となります。
これは週単位、日単位の労働時間の把握が必要です。1か月間の対象期間の法定労働時間の総枠(40時間×月の暦日数÷7で計算)だけでは判断できません。つまり時間外労働の計算は①日々について→②週について→③変形期間の順にその合計時間数が時間外労働の時間数となります。
◆簡易な判断方法
各月の日、週、変形期間の順に時間外労働をチェックするのはなかなか大変です。もう少し簡単に判断する方法はないでしょうか。一つの方法として所定労働時間超の労働時間をすべて時間外労働とみなすことで1回のチェックで済みます。この場合、各月の暦日数に応じて月間所定労働時間の総枠を設定、月間所定労働時間の総枠を超える時間数をすべて割増の対象とする。月間所定労働時間はできるだけ法定労働時間に近づける(法内か法外かの判断の手間は省けるが割増無し部分1.0の賃金も割増有り1.25増で払うこととなるため差の時間数を減らしておく)。また、1日の所定労働時間はあまり何種類も作らず、働く人も毎日働く時間がある程度固定化されている方が働きやすいと言えるでしょう。
◆失業保険の給付制限緩和
失業保険とは、雇用保険制度に基づいた求職者給付の基本手当のことで、会社を退職し転職活動を行う際に受給することができます。この雇用保険の基本手当は、失業手当や失業給付などと呼ばれることもあります。
これまで、会社を自己都合で退職した場合、基本手当の受給手続日から原則として7日経過した日の翌日から3か月間は、基本手当を受給できない期間がありました。これを「給付制限」といいます。
この度、令和2年10月1日以降に離職した労働者は5年間のうち2回まで、給付制限が2か月に短縮されることになりました。
給付制限期間が短すぎると、安易な離職を生み出すという懸念もありますが、本来失業給付は、「失業」または「離職」した労働者に対し、生活の保障と再就職の援助を行うための制度なので、要件緩和により、受給者が早期に生活の安定を図ることができると期待されています。
◆新型コロナによる退職の特例
私たちの生活に多大な影響を及ぼしている新型コロナウイルスですが、この影響により自己都合離職をした場合は、「特定理由離職者」とされ、正当な理由のある自己都合離職として給付制限を適用しないこととなっています。
令和2年2月25日以降に、以下の理由で離職をした労働者が対象となります。
①同居家族の感染等で看護が必要となった
②本人や同居家族に基礎疾患がある、妊娠中または高齢で、感染拡大防止や重症化防止のため
③保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校等に通う子の看護が必要となった
◆コロナ退職の失業給付日数延長特例
新型コロナウイルスの影響で離職した労働者のうち、令和2年6月12日以後に基本手当の所定給付日数を受け終わる者を対象に、最大で60日間、雇用保険の基本手当給付日数が延長されます。
離職日が緊急事態宣言発令以前と、緊急事態宣言発令期間中、緊急事態宣言全国解除後で対象者の範囲が異なります。緊急事態宣言発令後の離職は、特定受給資格者と特定理由離職者が本件の対象となります。
働き方改革や新型コロナの影響で、失業給付制度は少しずつ変化しています。対象者となる方に伝えてあげたいですね。