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◆定額減税が6月から
本人と配偶者・扶養親族について一人当たり所得税3万円(住民税1万円)を減税しますという定額減税が6月から始まり、源泉徴収税額に影響が出ます。この適用対象となる本人と配偶者・扶養親族については、次のような適用要件があります。
◆減税を受けられる本人の要件
1.令和6年分の所得税の納税者
2.日本国の居住者
3.本年分の主たる給与の支払者からの給与収入が2,000万円以下(子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける人は、2015万円以下)
◆減税を受けられる配偶者の要件
1.この減税を受ける本人と同一生計
2.合計所得金額が48万円以下
3.非居住者でない
4.青色事業専従者給与受給者・白色事業専従者控除適用者でない
合計所得金額48万円は給与年収では、103万円です。
源泉所得税の徴収計算で「扶養親族の数」を一人増やすことになる源泉対象配偶者及び配偶者控除適用を受けられる配偶者とは範囲が異なっています。
源泉対象配偶者は、合計所得金額が 95 万円(給与収入では 150 万円)以下が要件ですが、減税対象配偶者の所得要件は48万円以下です。
◆減税を受けられる扶養親族の要件
1.配偶者以外の親族
2.この減税を受ける本人と同一生計
3.合計所得金額が48万円以下
4.青色事業専従者給与受給者・白色事業専従者控除適用者でない
上記における親族とは、民法に定める親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)をいいます。
所得税の扶養控除の対象とならない16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)も控除金額の計算対象に含まれます。
◆要件充足のための追加申告書
この減税を受ける本人の合計所得金額が900万円超のため、扶養控除等申告書の源泉控除対象配偶者の欄が空欄になり、減税対象配偶者要件に係る情報不足となる場合には、別途「源泉徴収に係る定額減税のための申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書」に同一生計配偶者の情報を記載して、給与支払者に提出する必要があります。
◆交際費の基本
交際費の損金算入については、法人の資本金ごとにルールが定められています。
・資本金100億円超:交際費の損金算入は一切認められません。
・資本金100億円以下1億円超:飲食費等の交際費の50%を損金算入可能。
・資本金1億円以下:飲食費等の交際費の50%か、800万円までを損金算入かを選択適用。
尚、個人事業主については、税法上の上限額はありません。
◆変わったのは飲食等の金額基準
令和6年度税制改正では、上記の交際費の損金算入のルールは変わらなかったものの、「交際費にしなくて良い」という飲食費の金額基準が令和6年4月1日以降、一人5,000円以下から1万円以下に変更となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響から窮地に立たされていた飲食業界ですが、徐々に持ち直してきており、あわせて企業が使っている交際費の金額も回復傾向にあります。ただ、物価の動向等を踏まえると「5,000円では法人間の接待に使い辛い」という感想を抱いていた方も多いのではないでしょうか。
今回の改正については、今般の価格転嫁、ひいては賃上げという経済の好循環につながる事も期待されているのでしょう。
◆基準変更の注意点
適用が4月1日のため、3月末決算法人以外の法人については、期中に5,000円と1万円の金額基準が混在するため、経費精算システム等で誤りが無いようチェックする必要が出てくる場合があります。また、交際費ルールを社内規定等で定めている場合は、改正を視野に入れて、社内規定等を改めるか検討しましょう。
また、税込経理・税抜経理により交際費にしなくて良いかの判定基準が変わる(税込の場合11,000円で交際費等に含まれ、税抜の場合10,000円仮払消費税等1,000円で交際費に含まれない)のは従来と同様です。
税抜経理の場合は、支払い先がインボイス発行事業者か否かでも、判定に影響がありますから、ご注意ください。
6月10日
●5月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収税額(前年12月~当年5月分)の納付
6月17日
●所得税の予定納税額の通知
7月1日
●4月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●10月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の3月、4月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(2月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●国外財産調書・財産債務調書の提出
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第1期分)(6月、8月、10月及び1月中(均等割のみを課する場合にあっては6月中)において市町村の条例で定める日)
顧客の保険料を外貨に換えて運用する「外貨建て一時払い保険」で、約6割が購入後4年以内に途中解約されていることが、金融庁の調査で分かりました。販売した金融機関が解約後に同じ商品を顧客に売って二重に販売手数料を得るケースが多発していて、金融庁は生命保険会社や銀行などに販売手法の見直しを求めています。
外貨建て保険は、顧客の支払った保険料を米ドルやユーロなどの外貨に換えて運用します。通常の円建て生命保険と同様、死亡時などに保険金が支払われますが、資産運用商品として購入する人が多数となっています。
特に2022年以降、海外の金利上昇を受けて外貨建て保険の利回りも上昇し、4%を超える商品も出るなど人気が高まりました。銀行窓口での販売額は22年度上半期で1.2兆円と21年度下期の1.7倍に増加。一方で、為替の動向などによって元本割れに陥るリスクもあります。
金融庁が4月に発表した調査結果によると、代表的な外貨建て保険8商品の運用継続期間は平均2.5年で、購入後4年以内に約6割が解約されていました。商品の多くは、含み益があらかじめ設定した目標に到達すると、自動的に利回りの低い円建て運用に切り替わる仕組みでした。
目標を引き上げれば解約しないで済むにもかかわらず、金融機関が十分に説明をせず途中解約させ、同じ商品を販売していたケースが多数ありました。解約時には高額な手数料がかかり、実際に受け取る顧客の利益は減少します。
保険を組成した保険会社から、商品を販売する銀行などに支払われる販売手数料は初年度が高く設定されます。このことも新規契約を重視する風土を助長したとみられます。金融庁は「顧客にとって経済合理性がない。商品販売後の顧客への丁寧な対応が欠けている」と問題視しました。
<情報提供:エヌピー通信社>
一般会計の総額が112兆5717億円となる2024年度予算が成立しました。前年度当初予算(114兆3812億円)より減りましたが過去2番目の規模となり、2年連続で110兆円を超えました。
歳出で最も多くを占めるのは社会保障費で、過去最高の37兆7193億円でした。大学など高等教育費支援や児童手当の拡充を盛り込んだ少子化対策の経費を計上しています。医療・福祉従事者の賃上げにつながるプラスの報酬改定も反映させました。過去に発行した国債の償還や利払いにあてる国債費は27兆90億円で、過去最大。金利の想定利率を1.1%から1.9%に引き上げたことが影響しています。
元日に発生した能登半島地震を受け、災害対応など緊急時に使用する一般予備費は例年の倍額になる1兆円を確保。このほか物価高対策と賃上げ促進に活用できる予備費としても1兆円を計上しました。
歳入面では、税収を過去最高の69兆6080億円と見積もりました。6月以降に所得税と個人住民税が1人当たり計4万円減税される分が減収になります。総額に足りない35兆4490億円は新規国債の発行で賄います。
あるエコノミストは「岸田政権は賃上げを重視し、春闘でも成果は一部に現れた。だが、約束を実現するために不可欠な労働生産性の上昇率を高めていく政策は見えてこない。賃上げの促進だけでは持続しない」と注文を付けています。
<情報提供:エヌピー通信社>