タワマン節税、ついに規制

政府は平成29年度税制改正大綱に、高層マンションの上層階の固定資産税額引き上げを盛り込む方針を固めました。固定資産税評価額と実勢価格の開きを利用した「タワマン節税」に、とうとう課税強化の網がかけられることとなります。

 マンションの固定資産税には「階層」という概念はなく、1階であろうと50階であろうと、同じ面積には同じ税額がかかっています。検討している新たな計算方法は、高層階ほど重負担に、低層階ほど軽負担にするというもの。おおよそ20階を境界線とし、それより上の階であれば固定資産評価額が現在より高くなるそうです。具体的な算定方法などは今後詰めるため、どの階層からどの程度税負担が増えるのかは未確定。政府は年末までに骨格を固めて税制改正大綱に盛り込み、早ければ再来年から新制度を開始する方針だとしています。

 今回の改正の目的は「実売価格と固定資産税評価額のギャップ」の解消です。50階以上あるようなタワーマンションでは、低層階との価格差が1億円以上開くことも珍しくないため、資産価値に差があるのに固定資産税が同一なのは不公平だという声が挙がっているというのが、与党の説明する見直しの理由です。
 さらに、近年富裕層の間で行われてきた相続税対策の手法である「タワマン節税」が狙い撃ちされることになります。

 不動産を相続財産として評価する際には、固定資産税評価額が算定基礎として用いられます。つまり階数やカド部屋といった要素は考慮されません。先述したように、マンションの分譲区画の固定資産税評価額は階数にかかわらず同一。それに対し、実際の取引価格は高層階ほど高くなる傾向があります。タワマン節税はその差を利用して、相続税負担を抑えるスキームです。
<情報提供:エヌピー通信社>

《コラム》会社債務の連帯保証や担保提供 社長に支払う債務保証料

◆会社が社長に支払う債務保証料
 会社が金融機関から融資を受ける場合に、社長を保証人とするよう求められることがよくあります。
 このような場合、社長が会社の保証人となったのだから、会社は社長に対して保証料として相当の金額を支払ってもよいのではと考えるのは自然な発想です。
 問題となるのは、その保証料の「金額」。過去の税務訴訟では、この保証料としての「相当の金額」が争われたものがあります。

◆信用保証協会の年利率までは「相当」
 この裁判の原告は消費者金融業を営む同族会社でした。この会社は、銀行借入の際に、代表取締役社長が連帯保証や担保提供を行っていたことから、社長に対して、その借入金の月初残高に月利率約0.167%(年利2%相当。民間の保証会社の保証水準)を乗じた金額を「支払利息」として支払い、損金の額に算入していました。
 これに対して税務署側は、信用保証協会の最高保証率である年利率1%(当時)を超える部分を「役員報酬」と認定し、この部分が支給限度額を超過することから、損金算入を認めませんでした。会社側はこれを不服とし、裁判となりました。

◆役員による会社債務の保証の性質
 裁判所は、原告の主張する民間保証会社の保証料率を参考にすることは相当でなく、税務署が主張する信用保証協会の保証料算出基準を参考とした率による処分を認めました。そもそも、会社の役員が会社の債務保証を行うのは、役員の信用力の提供自体を期待するものでなく「経営責任」上の問題であって、営利目的ではないのだから、営利目的である民間保証会社の保証とは著しい相異がある―というのが理由でした。

◆保証料を支払う場合の注意事項
 この判例を見ると、信用保証協会の年利率までの保証料の支払いは認められそうですが、その「保証の必要性」、「融資の内容」、「保証範囲」等を勘案し、支払うことが適正と認められるような状況であるという「前提条件」が必要と思われます。
 そのため、融資に当たり、会社に定期預金、不動産等の提供できる担保物がある場合や、既に他に十分な担保があり、役員個人の保証は単に形式的なもので危険負担をしている事情がないときは、保証料を支払っても単純損金とされず、役員給与とされるでしょう。

預貯金も分割協議の対象に

 遺産相続の際の預貯金の取り分をめぐって争われている審判で最高裁大法廷は10月19日、当事者双方の意見を聞く弁論を開きました。大法廷は判例変更が行われる際に開かれるため、判例が変更される可能性が極めて高くなります。判例が変更になれば、預貯金が相続人の話し合いで遺産分割することができ、相続人全員の合意がなくても、裁判所の判断で事例に応じた配分が可能になります。判決は年内に出される見通し。

 遺産分割は、遺言書がないときや、遺言書に記載されていない財産が見つかると相続人が話し合いによって取り分を決めるのが基本。相続人全員の合意が得られず、話し合いが決裂すると、裁判所に判断を仰ぐことになります。

 不動産や株式などについては裁判所に申し立て、取り分を決定することができますが、預貯金については審判の対象外とされ、取り分は民法の規定に従って相続するとされていました。それは、最高裁の判決で預貯金のように分けることができる債権は「自動で(法定の相続分を)受け取れる」と示され、この判例に基づき預貯金は原則として、話し合いによる遺産分割の対象に含めてこなかったからです。

 ただし、裁判所の実務では相続人全員の合意があれば、預貯金を遺産分割の対象に含めています。例えば、遺族ふたりで法定相続割合が2分の1だったときに、協議の結果、ひとりは預金が7割、もう一人は土地と預金3割を相続するというようなことが行われてきました。しかし、相続人全員の合意が得られない場合が問題になっていたのです。
<情報提供:エヌピー通信社>

注目《コラム》三世代同居リフォームの減税制度を掲載しました

◆三世代同居リフォームに減税制度創設!
 平成28年4月より「住宅の多世代同居改修工事に係る特例」制度がはじまりました。
 この制度は、子育て支援・介護支援の一環として、三世代同居のために住宅のリフォームを行おうと考えている方を後押しする目的で設けられた減税制度です。
 平成25年に内閣府が行った意識調査によれば、「祖父母の育児や家事の手助けが望ましいか」という問いに対して、実に78.7%が「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えています。三世代同居を「理想の家族の住まい方」と答えた方も、20.6%いらっしゃったようです。
 ただ、現実には、総世帯に占める三世代同居世帯の割合は昭和61年の15.3%から平成25年には6.6%と減少しています(厚労省・国民生活基礎調査)。
 このような状況の中、世代間の助け合いによる子育てしやすい環境整備を図るため、税制上の特例措置が講じられました。

◆住宅ローンの有無で2つの制度
 実際に「三世代で住もう」とした場合には、住環境の整備が必要です。この場合、キッチン、トイレ、浴槽等の水廻りを増設することが一般的であり、概ね250万円がかかると国土交通省では試算しています。
 そこで、「特定増改築等に係る住宅借入金等特別控除」と「既存住宅の特定改修の場合の特別控除」に追加する形で2つの減税制度が設けられました(選択適用)。
①住宅ローンあり(借入期間5年以上)
住宅ローン年末残高×控除率
〔控除率〕
 増改築工事全体(1千万まで)…1.0%
 うち三世代同居改修工事(250万まで)…2.0%
 この制度では、年間で最大125,000円(250万円×2%+750万円×1%)の控除を5年間受けることができます。

②住宅ローンなし
標準的な工事費用(単位当たりの標準費用×改修箇所)×10%(最大25万円)

◆対象となる三世代同居改修工事
 どちらも対象となる三世代同居改修工事は、①調理室、②浴室、③便所、④玄関のいずれかを増設し、改修後は①~④のいずれから2つ以上が複数になるものになります(補助金控除後の工事費用・標準的な工事費用が50万円超のものに限ります)。

 

注目《コラム》「人材募集の留意点」を掲載しました

◆労働者募集に際しての注意点
 人材募集に関して有効求人倍率は1.37倍と求人が活発な状況にありますが、労働者の募集に際して注意をする点について考えてみたいと思います。法的に規則で規制されている事項は主に3つあります。

1.年齢について・・募集に関しては原則として年齢制限を設けてはならない事になっています。例外として、定年年齢を上限としてその年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集する場合、例えば若年者等のキャリア形成を図る為、期間の定めのない労働契約の対象者として募集する時や技能、ノウハウを継承する観点から特定の職種において年齢層の人数の偏りを是正する為、特定の年齢層を期間の定めのない労働契約の対象として募集する時等です。年齢制限の上限を設ける場合にはその理由を書面により提示する事で若年層の募集も実施できるようになります。

2.性別について・・男性のみの募集、女性のみの募集は男女雇用機会均等法で原則禁止されており、例外としてはエステシャンのような風紀上、男性か女性に限定するものやホスト、ホステス等業務の性質上どちらか一方の性に従事させる事が必要であったり、守衛、警備員等防犯上男性のみに限定する者等があります。

3.求人広告の内容・・職業安定法では求職者に誤解を与えるような虚偽の広告や虚偽の条件を提示して労働者募集を行うと罰金が科されます。また、職業の紹介にあたっては労働条件を求職者に明示する事が求められます。具体的に従事すべき業務内容、労働契約の期間、就業場所、労働時間、賃金等の明示が義務付けられています。

 平成28年4月にハローワークに出す求人に固定残業代の表示の仕方に対しての指針がありました。固定残業代(定額残業代とも言う)とは「一定の時間分の時間外労働や休日労働、深夜労働等を定額で支給する割増賃金」制度で、これを採用している企業の求人はその労働時間数や金額の計算方法、固定残業代を除いた基本給の表示、固定残業代を超えた時間数の割増賃金の追加支払い等を明示しなければならないとされました。