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《コラム》預貯金とマイナンバー
◆預貯金のマイナンバー管理
平成27年8月のマイナンバー法改正に伴い、国税通則法を改正し、銀行等に対し、マイナンバーによって検索できる状態で預貯金情報を管理する義務を課す、としました。ただし、9月9日に改正公布されていますが、3年内施行ということで、まだ施行はされていません。
◆現在ある預貯金口座とマイナンバー
銀行が個人の顧客に支払う利子の課税については、源泉分離課税で課税が終了することから、利子支払調書の提出が免除されており、銀行等の預金口座に関しマイナンバーを付す必要性も法的根拠もありません。
それで、預金口座へのマイナンバー付番の根拠として、マネーロンダリング対策や、預金保険機構による預金者救済などでの名寄せ、災害時の迅速な対応といった場面で必要だから、との建前を出して、平成30年以降は口座への付番を預金者の任意の協力の下でできることに法制化しました。
◆改正通則法の付番管理
税務当局には質問検査権があり、金融機関に対し従来より、過去数年間の預貯金情報の照会をしており、マイナンバー付番があれば、そのマイナンバーにより名寄せした情報の開示を金融機関に対して行うことは今後とも可能なところです。
ところが、金融機関等をあまり信用していないのか、対応に不満があるのか、金融機関からの迅速・的確な回答を確保し、税務調査における預貯金調査の効率性を高める観点から、金融機関に対して、マイナンバーに紐付けて預貯金口座に関する情報を管理するという義務を課すこととしました。冒頭の改正法です。
◆マイナンバー告知強制があるかも
預貯金者は金融機関から、保有する預貯金口座について、マイナンバーの告知を求められることが予想されますが、預貯金者における金融機関に対するマイナンバーの告知は、義務ではなく、あくまで任意です。
◆付番促進検討は3年後
なお、預貯金口座へのマイナンバーの付番が進まないことも考え得るところですが、今般の番号改正法の附則において、本制度施行から3年後の見直し規定が設けられており、その時点で付番の状況等を踏まえ、更なる付番の促進に向けた施策の検討を行うこととされています。
タワマン節税、ついに規制
政府は平成29年度税制改正大綱に、高層マンションの上層階の固定資産税額引き上げを盛り込む方針を固めました。固定資産税評価額と実勢価格の開きを利用した「タワマン節税」に、とうとう課税強化の網がかけられることとなります。
マンションの固定資産税には「階層」という概念はなく、1階であろうと50階であろうと、同じ面積には同じ税額がかかっています。検討している新たな計算方法は、高層階ほど重負担に、低層階ほど軽負担にするというもの。おおよそ20階を境界線とし、それより上の階であれば固定資産評価額が現在より高くなるそうです。具体的な算定方法などは今後詰めるため、どの階層からどの程度税負担が増えるのかは未確定。政府は年末までに骨格を固めて税制改正大綱に盛り込み、早ければ再来年から新制度を開始する方針だとしています。
今回の改正の目的は「実売価格と固定資産税評価額のギャップ」の解消です。50階以上あるようなタワーマンションでは、低層階との価格差が1億円以上開くことも珍しくないため、資産価値に差があるのに固定資産税が同一なのは不公平だという声が挙がっているというのが、与党の説明する見直しの理由です。
さらに、近年富裕層の間で行われてきた相続税対策の手法である「タワマン節税」が狙い撃ちされることになります。
不動産を相続財産として評価する際には、固定資産税評価額が算定基礎として用いられます。つまり階数やカド部屋といった要素は考慮されません。先述したように、マンションの分譲区画の固定資産税評価額は階数にかかわらず同一。それに対し、実際の取引価格は高層階ほど高くなる傾向があります。タワマン節税はその差を利用して、相続税負担を抑えるスキームです。
<情報提供:エヌピー通信社>
《コラム》会社債務の連帯保証や担保提供 社長に支払う債務保証料
◆会社が社長に支払う債務保証料
会社が金融機関から融資を受ける場合に、社長を保証人とするよう求められることがよくあります。
このような場合、社長が会社の保証人となったのだから、会社は社長に対して保証料として相当の金額を支払ってもよいのではと考えるのは自然な発想です。
問題となるのは、その保証料の「金額」。過去の税務訴訟では、この保証料としての「相当の金額」が争われたものがあります。
◆信用保証協会の年利率までは「相当」
この裁判の原告は消費者金融業を営む同族会社でした。この会社は、銀行借入の際に、代表取締役社長が連帯保証や担保提供を行っていたことから、社長に対して、その借入金の月初残高に月利率約0.167%(年利2%相当。民間の保証会社の保証水準)を乗じた金額を「支払利息」として支払い、損金の額に算入していました。
これに対して税務署側は、信用保証協会の最高保証率である年利率1%(当時)を超える部分を「役員報酬」と認定し、この部分が支給限度額を超過することから、損金算入を認めませんでした。会社側はこれを不服とし、裁判となりました。
◆役員による会社債務の保証の性質
裁判所は、原告の主張する民間保証会社の保証料率を参考にすることは相当でなく、税務署が主張する信用保証協会の保証料算出基準を参考とした率による処分を認めました。そもそも、会社の役員が会社の債務保証を行うのは、役員の信用力の提供自体を期待するものでなく「経営責任」上の問題であって、営利目的ではないのだから、営利目的である民間保証会社の保証とは著しい相異がある―というのが理由でした。
◆保証料を支払う場合の注意事項
この判例を見ると、信用保証協会の年利率までの保証料の支払いは認められそうですが、その「保証の必要性」、「融資の内容」、「保証範囲」等を勘案し、支払うことが適正と認められるような状況であるという「前提条件」が必要と思われます。
そのため、融資に当たり、会社に定期預金、不動産等の提供できる担保物がある場合や、既に他に十分な担保があり、役員個人の保証は単に形式的なもので危険負担をしている事情がないときは、保証料を支払っても単純損金とされず、役員給与とされるでしょう。
預貯金も分割協議の対象に
遺産相続の際の預貯金の取り分をめぐって争われている審判で最高裁大法廷は10月19日、当事者双方の意見を聞く弁論を開きました。大法廷は判例変更が行われる際に開かれるため、判例が変更される可能性が極めて高くなります。判例が変更になれば、預貯金が相続人の話し合いで遺産分割することができ、相続人全員の合意がなくても、裁判所の判断で事例に応じた配分が可能になります。判決は年内に出される見通し。
遺産分割は、遺言書がないときや、遺言書に記載されていない財産が見つかると相続人が話し合いによって取り分を決めるのが基本。相続人全員の合意が得られず、話し合いが決裂すると、裁判所に判断を仰ぐことになります。
不動産や株式などについては裁判所に申し立て、取り分を決定することができますが、預貯金については審判の対象外とされ、取り分は民法の規定に従って相続するとされていました。それは、最高裁の判決で預貯金のように分けることができる債権は「自動で(法定の相続分を)受け取れる」と示され、この判例に基づき預貯金は原則として、話し合いによる遺産分割の対象に含めてこなかったからです。
ただし、裁判所の実務では相続人全員の合意があれば、預貯金を遺産分割の対象に含めています。例えば、遺族ふたりで法定相続割合が2分の1だったときに、協議の結果、ひとりは預金が7割、もう一人は土地と預金3割を相続するというようなことが行われてきました。しかし、相続人全員の合意が得られない場合が問題になっていたのです。
<情報提供:エヌピー通信社>
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