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◆たくさんの「年金」、どれを使ってますか?
近年、老後資金への関心から、iDeCo(個人型確定拠出年金)等の私的年金の流行が起こりました。「年金」といっても、数多くの種類があり、混同しがちです。所得金額算出の観点から分けて確認してみましょう。
◆公的年金等控除が適用される年金
公的年金等は、年金の収入金額から「公的年金等控除額」を差し引いて所得金額を計算します。この雑所得となる公的年金は、
①国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金
②過去の勤務により会社などから支払われる年金
③外国の法令に基づく保険または共済に関する制度で①に掲げる法律の規定による社会保険または共済制度に類するもの
と規定されています。
「公的」と名がついているので企業年金は異なると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、企業年金も年払いで受け取る場合は、公的年金等控除が適用される年金です。
公的年金等控除が適用される年金を例示すると、基礎(国民)年金・厚生年金・企業年金・国民年金基金・確定拠出年金等です。ただし、企業型確定拠出年金やiDeCo、一部の企業年金等は、「年金として受け取る(公的年金等控除適用)」か「退職所得として一時金で受け取る(退職所得控除適用)」かの選択が可能です。税額や健康保険料に鑑みると有利不利があるので、他の退職金や年金の有無、その他の収入見込みやライフプランを考慮する必要があります。
◆非課税の年金
病気やケガで障害が残った場合などに支給される「障害年金」や、国民年金・厚生年金の被保険者が亡くなった場合に、その人に生計を維持されていた人に支払われる「遺族年金」は非課税所得です。
◆公的年金等控除が適用されない年金
個人年金保険の年金については、公的年金等控除が適用されません。所得区分は公的年金と同じ「雑所得」ですが、確定申告書上で記載すべき欄は「公的年金等」ではなく「その他」の雑所得となります。
個人年金の所得金額は、その年に受け取った金額から積み立てた額を引いた額です。
◆社会保険の資格喪失日
社会保険で被保険者の資格を喪失する日は、原則、その事実があった日(「退職日」)の翌日となります。 会社や社会保険適用の個人事業所の従業員・役員が退職する場合、退職日が月末であれば、その月まで社会保険が課されます。給料からの社会保険料の控除を翌月としている場合は、退職月には2か月分の控除となりますので、給与計算では留意が必要です。
◆社会保険料vs国民健康保険料・国民年金
社会保険の資格を喪失した場合、自身で住所地のある市区役所に出向き、社会保険から国民健康保険・国民年金への切り替え手続をしなければなりません。この切り替えを失念すると、健康保険が適用されず、その月は全額自己負担となってしまいます。
仮に月末の一日前に社会保険を喪失させた場合でも、その月の初日から適用されないこととなりますので、その月の退職日までに病院にかかった分は全額自己負担となってしまいます。
なお、国保への切り替えをしなかった場合で、「健康で病気もしなかったから1か月健康保険に入らないで得した」と短絡的に考えるもの禁物です。空白期間に、国民年金、国民健康保険の切り替え手続をしないと、未納期間がひと月発生することとなり督促の対象となります。そうすると、障害年金の受給要件を今後1年間満たさなくなります。万一の際に障害年金の受給ができなくなりますので、空白期間のないように、国民年金、国民健康保険の手続をおこなうことです。
◆退職日は総合的に長い目で考えて決める
社会保険の方が、国民健康保険・国民年金に比して、概して負担が高額です。そのため、月末の前日に退職してその月に社会保険が掛からないようにするとお得と考える方もいらっしゃいます。しかしながら、社会保険料は月々の負担が高額な分、将来もらえる年金の額も国民年金に比して高い金額となっています。
また、社会保険は、本人と会社でほぼ50%ずつでの負担ですし、配偶者が第3号被保険者であれば基礎年金部分も社会保険なら支払っていることになっています。国民年金負担となれば、配偶者の分も1人分の国民年金保険料の負担が発生します。
短絡的に目の前の低い負担の方を選んでしまうことなく、よくよく考えて決めることです。
◆退職所得は合計所得金額を構成するが
令和2年分の所得税の申告から、基礎控除ほか人的控除、給与所得控除、公的年金等控除、青色申告控除などの改正で、10万円増減や段階的減額や適用除外に伴う所得計算の複雑化が顕著になりました。
合計所得金額の多寡はこの複雑化計算の要素の一つです。そして、所得税に於いては、退職所得はこの合計所得金額の構成要素ですが、住民税での通常の退職所得は、合計所得金額の構成要素ではなく、完全分離課税です。所得税と大きく異なります。
◆住民税では構成しないとの確認的改正
今年の住民税の税制改正では、公的年金等控除額の算定の基礎となる「公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額」には、個人住民税における他の所得控除等と同様に、退職所得を含まない合計所得金額を用いること、と所得税と住民税での公的年金等所得の計算の不統一が明確にされ、令和3年分の所得税申告に係る令和4年分の住民税の公的年金等所得・税額計算から適用となっています。
◆配偶者等の退職所得情報の共有化
また、関係するのは、納税者本人の退職所得だけでなく、配偶者や扶養親族の受ける退職所得もです。
今年の税制改正では、退職所得を受給する同一生計配偶者と扶養親族の氏名住所等を「扶養控除等申告書」に記載する事とし、その記載を基に、給与支払者は、「給与支払報告書」の摘要欄に「(退)」を付けて移記し、市町村に提出する事とされました。
ここでは、所得税の課税処理を基に住民税の課税処理が完結しています。
◆本人情報は何故か徹底させない
でも、「確定申告の手引き」には、「一般的に、退職所得に係る所得税等は源泉徴収により課税が済むことになりますので、申告書の提出は不要です。」と書かれています。住民税の事を無視した記載です。
給与所得と退職所得だけの場合だと、年末調整関係申告書と退職所得受給申告書を提出するだけで手続き完了です。そして、これらの申告書は、宛名こそ税務署長や市町村長になっていますが、それらの機関に提出されることのない書類です。
また、法定調書としての「退職所得の源泉徴収票」は、市区町村にも提出されますが、作成範囲は法人の役員に限定です。
住民税の適正計算には除外すべき退職所得情報は不可欠なのに、なぜか不徹底です。
8月10日
●7月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
8月31日
●6月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●12月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の5月、6月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(4月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●個人事業者の消費税・地方消費税の中間申告
○個人事業税の納付(第1期分)(8月中において都道府県の条例で定める日)
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第2期分)(8月中において市町村の条例で定める日)
長崎市議会は今年3月に条例案を可決していた「宿泊税」について、総務大臣の同意を得たことを受けて来年4月1日からの導入を決定しました。ホテルや旅館などの宿泊客1人あたりの宿泊料金に応じて、1人1泊1万円未満だと100円、1万円以上2万円未満は200円、2万円以上は500円が課税されます。ただし、修学旅行や部活動といった学校行事に関連する宿泊には課税しないそうです。こうした旅行者向けの新税は全国各地で導入されています。
市は宿泊税の導入により年間約4億円の税収増を見込みます。宿泊税による税収は全額を観光振興策に充てる方針とのことです。
宿泊税はすでに東京都や大阪府、京都市などの自治体で導入されています。京都市は1人1泊5万円以上だと1000円、北九州市では宿泊料金にかかわらず定額200円などとなっています。基本的に宿泊税の目的は観光を盛んにするためとされています。長崎市以外にも導入を検討している自治体があり、今後はますます導入が進む見込みです。
宿泊税の納税義務者は負担者である宿泊者ですが、ホテルや旅館が「特別徴収義務者」として代わって納める制度が適用されています。宿泊施設の事業者は特別徴収義務者になるために自治体への登録が必要です。
<情報提供:エヌピー通信社>