相続土地国庫帰属制度、2週間で200件超

 相続した不要な土地を国に引き渡せる「相続土地国庫帰属制度」で、2週間で200件以上の申請があったことがわかりました。相談件数も6千件近くに上り、管理が困難な土地を手放したいニーズがあることが浮き彫りとなっています。

 5月下旬に北陸地方整備局が開催した北陸地区土地政策推進連携協議会の総会で、富山地方法務局が、制度の利用状況を報告しました。それによれば制度がスタートしてからの2週間で、全国で200件以上の申請があったそうです。最も多かったのが「農地」で、次いで「宅地」、「山林」と続きました。

 制度開始に先立つ2月には、自身の土地が引き渡せるケースかを相談できる窓口が法務局に置かれています。協議会では、この事前相談が5月までに全国で約5800件利用されていることも報告されました。富山地方法務局は「土地を手放したいというニーズはそれなりにあり、国民の関心は高い」としています。

 同制度を利用して土地を引き取ってもらうには一定の要件が設けられています。申請をするに当たっては、建物がないか、担保権や使用収益権が設定されていないかなどがチェックされ、また申請を受理されても、一定以上の勾配・高さの崖がないか、管理・処分を阻害する有体物が地上にないかなど、国が管理に要するコストが過大とならないかがチェックされます。

 それらの条件をクリアして審査を通過しても、土地を国に引き渡す際には10年分の管理費に当たる負担金を納めなければなりません。金額は原則20万円ですが、市街地や農用地区にある宅地、田畑、森林などは金額が上がり、面積によっては100万円を超える負担金が発生することもあります。申請に当たっての諸々の事務負担やコストを検討した上で、制度を利用するかを判断したいところです。

<情報提供:エヌピー通信社>

2023年7月の税務

7月10日
●6月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付(年2回納付の特例適用者は1月から6月までの徴収分を7月10日までに納付)

7月18日
●所得税の予定納税額の減額申請

7月31日
●所得税の予定納税額の納付(第1期分)
●5月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●11月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の4月、5月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(3月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○固定資産税(都市計画税)の第2期分の納付(7月中において市町村の条例で定める日)

《コラム》中小企業の退職金と老後の資金

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 ◆現在は4人に1人が95歳まで生きる時代
 2019年に金融庁が発表した報告書に「人生100年時代には老後生活費が2千万円不足する」とあり世間を騒がせましたが元々資産形成を促す目的で出されたものです。
 2千万円という数字は退職金や貯蓄額も含んだ合計を指しています。現役時代に年金の上乗せを考えることが重要でしょう。

◆中小企業の退職金は十分とは言えない
 東京都を例にとると2019年の「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」では、学卒以来定年までずっと勤めたとして定年時は高卒で994万円、大卒で1091万円となっています。途中入社や中途退職の方はもっと低くなります。これは東京都の平均値ですから全国版で見るともっと低くなります。超低金利の時代に貯蓄で準備するのも難しく公的年金も目減りしていく中、自分でも準備したいところです。

◆老後の資金は何で準備するか
 老後のお金に不安を感じてもほとんどの人にとってまだ遠い先の話。仕事や毎日の生活で忙しい中、新しく何かを始めるといっても投資のための口座開設、商品の選択、関連知識の勉強は後回しになりがちです。
 中小企業には中退共がありますが社長や役員は加入できません。従業員は全員加入、掛け金は事業主負担です。掛け金は損金計上ですが給与からの天引きはありませんので社会保険料は変わりません。また、生命保険では養老保険もあります。養老保険は全員加入で役員は加入できますが、家族的経営の会社は利用が難しいといわれています。養老保険は保険料の半分を損金計上できますが解約時の解約返戻金は返礼率50%以上の商品は課税方法が見直されました。

◆確定拠出年金が注目される
 確定拠出年金の企業型DCは、厚生年金の加入者で1名以上であればよく、社長1人でも加入できます。拠出金は月額3千円~5万5千円、掛け金は労使どちらかでもよく、会社が負担すれば損金、従業員の給与から控除すれば社会保険料控除の対象です。よって社会保険料、所得税、住民税は下がります。DCの特徴は投資商品の購入ですが運用中の利益は非課税になります。年金を受け取るときも退職金に対する優遇税制の適用があります。老後対策として始めるなら企業で加入するのは企業型DCですが個人ではiDeCoがあります。最近はDCと併用ができる場合もあります。

2023年6月の税務

6月12日
●5月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収税額(前年12月~当年5月分)の納付

6月15日
●所得税の予定納税額の通知

6月30日
●4月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●10月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の3月、4月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(2月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第1期分)(6月、8月、10月及び1月中(均等割のみを課する場合にあっては6月中)において市町村の条例で定める日)

《コラム》相続の基本 遺産分割協議の流れ

◆遺産分割協議の流れ
 遺産分割協議は、相続人全員で遺産の分け方を話し合う手続きです。
 遺言書がある場合は、原則遺言書通りに遺産分割をしますが、遺言書にない遺産については分割協議の対象となります。
 遺産分割協議は相続人全員の参加が必須です。参加すべき相続人を調査する必要がある場合、戸籍資料などから確認します。
 遺産分割の対象になる相続財産を調査・把握する必要もあります。遺産が後から出てきた場合、遺産分割をやり直すことになる場合もありますが、分割協議書に後から出てきた遺産の取扱いを記載しておけばその通りに扱うことになります。
 遺言書の有無、相続人の確認、遺産分割の対象になる財産の把握を終えた後、遺産分割の協議を行い、合意内容を記載した遺産分割協議書に相続人全員が署名捺印し、1通ずつ所持すれば遺産分割協議は終了です。
 遺産分割には法律上の期限はありませんが、相続税の申告は「相続の開始を知った日の翌日から10か月以内」となっているため、それまでに遺産分割を完了しておくとスムーズです。

◆分割ができなかった場合の相続税申告
 10か月以内に遺産分割が終わらない場合は、暫定的に法定相続分による相続税申告を行います。後に修正申告や更正の請求を行うことになりますが、小規模宅地等の特例や配偶者控除等の適用を受けるためには原則期限内申告をしなければいけません。期限後に優遇措置を受けるためには、暫定的な申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出する必要があります。

◆遺産分割協議で決まらなかったら
 遺産分割協議が決裂してしまった場合、家庭裁判所で調停が行われます。裁判官が提示する調停案に相続人全員が同意すれば調停は成立します。
 遺産分割調停も不成立になった場合は、家庭裁判所が審判を行います。法定相続分を基準としますが、相続人から提出された主張や資料を総合的に考慮して、遺産分割の方法は決定されます。