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またしても、ふるさと納税の制度が利用者にとって〝うま味〟の少ないものに変更されます。総務省はふるさと納税制度のルールを見直し、利用者に独自のポイントを付与する仲介サイトを通じた寄付の募集を禁止すると発表しました。「地産品限定」「原価率3割規制」といったルールの変更に加え、今回は寄付集め競争の過熱を是正するための措置として、仲介サイトによる「ポイント付与」が事実上禁止されます。周知期間を経て、2025年10月以降の寄付から適用する方針です。
ふるさと納税は、仲介役となるポータルサイトを通じて自治体に寄付する利用者が増加しています。大手の仲介サイトでは利用者を呼び込むため、寄付金額に応じて独自のポイントを付与しています。
総務省では、自治体が仲介サイトの運営事業者に支払う手数料にはポイントの原資も含む場合があるとみており、禁止すれば手数料が下がり、自治体の収入が増えると期待しています。ただし、寄付金をクレジットカード決済で支払った場合にカード会社が付与しているポイントなど、通常の商取引に伴うものは禁止しません。
自治体が寄付を集めるために独自の取り組みを企画・立案し、実行するのは困難。〝集客力〟のある大手ポータルサイトに依存するのは当然の流れで、これを行政主体のホームページだけでPRしても多くの寄付は集まりません。
自治体が広報・宣伝活動に多くのノウハウを持つ広告代理店やPR会社、ふるさと納税ポータルサイトを利用するのは当然のことで、これを封じるのであれば純粋な「広告料」「PR費用」といったコストが増えるだけでしょう。そうしないことにはポータルサイト側の運営に支障が生じます。そうなると、配送費や宣伝費も「原価率3割」に含む必要がある現行のルールでは、返礼品の品質や量を落とすしかありません。
高額納税者の多くが利用するふるさと納税の〝うま味〟が、またもや制度を作った総務省によって減殺されることになりそうです。
<情報提供:エヌピー通信社>